参/



 ふと其処を見ると、比菜が蹲っていた。
 走って、急いで近づいていった。
「…比菜…?」
「――死ねよ、バァカ」
 顔を上げた比菜は、とても楽しそうな顔。
お腹に穴が空いたような痛みを感じた。









































「――…ぁッ!!」
 目が覚めて、上半身を跳ね起こす。
どんな夢だったかは覚えていなかったけど、何か凄く怖い夢を見た。
「     」
 ハッとして横を見る。
綺麗な青い髪で、肌の白い人が居た。
 その人は僕が振り向いた途端、とても柔らかく笑った。
(綺麗な人だなぁ…。青い髪、触りたいな)
 その人はパタパタと手を動かして何かをしようとしている。
なんとなくそれが異国の手記号に似ている気がして、何となく聞いてみた。
「…お兄さん、喋れないの?」
「………」
 やっぱり言葉は返してくれなかったけど、そのかわり首を振って否定の合図。
その次に僕を指して、紙と鉛筆を差し出してきた。
「…?…えっと、名前?」
 嬉しそうに顔を輝かせて肯定の合図。
言われたとおりに僕は名前を書いて、それから。
「ねぇ、お兄さんの名前は?」
 こくり、と頷いて、鉛筆を持って紙に書いていく。
 司馬葵、と。
「司馬…もしかして異国と貿易をしているあの司馬家?」
 少し躊躇った後、肯定の合図。
 司馬家は、町に住んでいる人なら誰でも知っている有名な貿易商。
時々医者もやっているらしいが、生憎医者は足りていた。
 そういえば、司馬家の長男はとても格好良くて綺麗な髪の色をしていると聞いたことがあった。
 という事は、此処は司馬家の中なのだろうか?
それにしては少々古くさいような気がするし、和室というのはおかしいだろう。
「ねぇ司馬さん、此処は何処なの…?比菜…そうだ、比菜は何処?」
「………、」
 眉を少し寄せて、それから紙に書き込もうとしたときに。
「オイ司馬ァ、それ以上余計なコト喋ンなYo」
「………、」
 がらりと開いた障子の向こうに立ってたのは、瞳が紅いちょっと恐そうな人。
司馬さんはその人を見て少し焦り気味に手を動かす。
「Ahー、でもアレはまだ話せないSi、護人様から言われたじゃねェKa」
(護人様――?)
「ねぇ!護人様に使えてる人!?なら!比菜の病を治してッお願い…!!」
 比菜は大事な妹なんだ。
たとえ僕の命とかえてでも生きててもらいたいんだ。

















040402.
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