「中間試験日は12月2日から4日までで、2日は古典、現国、物理。3日が――…」
「ウッソ、マジかYo…」
今日は最悪。
否、訂正しよう。…今日から毎日が地獄。
with...
「最悪Da…」
一言目にソレ。
「仕方なかやろー、そげん日に産まれてくる方が悪いんもん」
「Eェー!そんな事言うなYoー…!」
「去年も似たようなモンやん。諦めりー」
トントン、と手にした古典の教科書を揃え、鞄に仕舞う。
そして席を立って。
「今日は部活無いんやし、家で大人しく勉強したらどうなん?万年赤点ギリギリの虎鉄君?」
小馬鹿にしたような口調で、見下ろされる。
他の奴に言われたならそりゃもうマジギレモノだけど、猪里になら其処までムカつかない。
「し…仕方無いだRo!大体猪里サンは覚えてンNo、2日?」
「んー何かあったっけ?」
「あぁ酷ェ!!」
本当に覚えていなかったらこの世の終わりかもしれないという程落ち込んでやるけど、多分それは無い筈。
そうだろ?
「Naァ〜その虎鉄君Ni教えてやって下さいYo!」
「そやねぇ…時給千円でなら考えてやっても良かよぅ?」
「高ェYo!せめて一日千円!」
「あははッ!…冗談に決まっとろうが」
腹抱えて大笑いしてる。
…そんなにおかしかったか?
「一緒にテスト勉強しようZe?」
「喜んで。」
先に教室を出ようとした猪里に追いついて、廊下を歩く。
廊下はまだ人が沢山歩いていて、話す声もすぐに聞こえなくなった。
「…うぇ、飽きTa」
「早ッ。まだ一時間しかやっとらんやん」
さっそく始めた勉強会(仮)は猪里の家で。
一度家に帰って、参考書やらなんやらを詰め込んだ鞄を持って直行。
けれども未だに鞄に詰め込んできたモノの半分も開いていない。てゆうか開く気ゼロ。
目の前で長文を解いている猪里はいたって真面目に勉強中。
コレでは誰だって飽きるさ。
…いや、猪里の顔を見てるだけで良いんだけど、そんな事はどうでも良くて…。
「もう一時間だYo〜。飽きTa…」
「…そんじゃサヨウナラ。また明日」
「E!A!ヤッパリ飽きてませんですNe☆」
「文法おかしか…」
こんなやりとりをしている間も猪里はコッチを向いてくれない。
こうも一方通行だと少しだけ…不安になる…?
「やっぱ帰るWa」
「え…急に何なんよ」
あぁ、やっと顔を上げてくれた。
「ん、だって邪魔だRo。だからウチでやるNa」
「うん、あ、そうなん?…分かった、んじゃまた明日も」
「――…来て良いNo?」
少しだけ、少しだけ言葉に希望を探してみた。
猪里は俺が言った言葉につ、と反応して表情を変えた。
「あ、当たり前やろ!明日も明後日も試験終わるまでずっと!2日だって、例えテストが有ろうが一緒に居れれば良いんよ」
「Oh〜☆Good ideaだNa!」
「…お、俺やって一緒に居たかもん…」
ぼそぼそと小声で呟いたつもりらしいが、生憎俺にはしっかりと聞こえていて。
少し赤めの頬を更に朱くして、顔を逸らす。
「も〜猪里チャンHa照れ屋だNa☆」
「うわあッ!せからしか!さっさと帰りぃ!」
「オゥまた明日Na、マイスウィートハニー☆」
「きッ、きさんなんかもう入れてやらん!出てけ!馬鹿!」
今なら誰に何を言われても構わない。
というよりも君の声以外何も耳には入らない。
…何時までも君と居たいと思うのは罪なのだろうか?
前言撤回、今日から毎日が幸せだ。
040113.
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